2022年9月 - 副業で初めての収入!クラウドソーシングでの挑戦
第2部でお話しした通り、ToDoリストアプリを自力で完成させたことで、私はプログラミングに対する小さな自信と、もっと実践的な経験を積みたいという欲求を感じていました。そこで目を付けたのが、クラウドソーシングサイトです。「ランサーズ」や「クラウドワークス」といったプラットフォームに登録し、まずは簡単な案件から挑戦してみることにしました。
最初に受注できたのは、「既存サイトの簡単な文言修正」という、時給換算すると数百円にも満たないような小さな案件でした。それでも、自分のスキルでお金を得られたという事実は、何物にも代えがたい喜びでした。時給が低いとか、作業内容が地味だとか、そんなことはどうでもよかった。とにかく「自分の力で稼げた!」という達成感が、私を突き動かしたのです。
初めての副業収入:5,000円の重み
最初の案件を無事に納品し、クライアントから「ありがとうございました!」という感謝のメッセージと共に、報酬として5,000円が振り込まれた時のことは、今でも鮮明に覚えています。本業の給料とは全く違う、ずっしりとした重みを感じる5,000円でした。
「これだ!俺が求めていたのは、こういう手応えなんだ!」
その瞬間、商社で何百万円、何千万円という契約を取ってきた時よりも、ずっと大きな達成感と興奮を覚えたのです。
副業収入の軌跡:月1万円から月10万円、そしてその先へ
最初の成功体験をバネに、私は次々と副業案件に挑戦していきました。最初はLP(ランディングページ)のコーディング修正、WordPressサイトの軽微なカスタマイズ、バナー作成など、比較的簡単なものが中心でした。単価は数千円から1万円程度のものが多かったですが、とにかく数をこなすことで実績と評価を積み上げていきました。
副業案件の具体例と当時の収入
案件例1:既存LPのレスポンシブ対応(HTML/CSS)
- 作業期間:3日間(週末集中)
- 報酬:15,000円
- 学んだこと:メディアクエリ、Flexbox/Gridレイアウトの実践
案件例2:WordPressブログの記事投稿代行と画像加工
- 作業期間:月10記事程度(1記事あたり1~2時間)
- 報酬:月20,000円(1記事2,000円)
- 学んだこと:WordPressの基本操作、画像編集ソフトのスキル
スキルアップと並行して、徐々に高単価な案件にも挑戦できるようになり、副業開始から約半年後には、月々の副業収入が安定して5万円を超えるようになりました。そして、学習開始から約1年が経過した2023年の初頭には、ついに月収10万円の壁を突破したのです。
「副業だけで月10万円…。本業の給料とは別に、自分の力だけでこれだけ稼げるようになったという事実は、私に大きな自信を与えてくれました。同時に、このスキルをもっと磨けば、会社に依存しない生き方ができるかもしれない、という淡い期待も抱き始めていました。」
エピローグ:新しい業界、新しい自分。そして見えた次なる光
- 副業での最初の収入は、金額以上に大きな自信とモチベーションを与えてくれる。
- 小さな案件でも誠実に取り組み、実績と評価を積み重ねることが、次のチャンスに繋がる。
- 本業と副業の両立は想像以上に大変だが、明確な目標と時間管理で乗り越えられる。
- 副業収入が一定額を超えると、会社に依存しない生き方への現実的な選択肢が見えてくる。
- 30代未経験でも、熱意と行動力があれば、新しい業界への扉は必ず開かれる。
大手商社を退職し、Web制作会社という全く新しい環境に飛び込んだ私。年収は一時的に下がりましたが、毎日新しいことを学び、自分の手で何かを生み出す喜びに満ち溢れていました。何よりも、「やらされている感」のない、主体的な仕事ができるということが、これほどまでに充実感を与えてくれるものだとは思いませんでした。
しかし、この転職はゴールではありません。むしろ、私にとっての「本当の再スタート」は、ここから始まったのかもしれません。そして、この新しい業界で働く中で、私はさらに大きな可能性を秘めた「ある技術」と出会うことになるのです…。