【体験記シリーズ】私が30代で人生をやり直した全記録

第2部:未知の世界へ飛び込む!スキル習得への挑戦と苦悩の日々

「人生を変える!」そう決意したものの、目の前には専門知識ゼロという大きな壁が立ちはだかっていました。32歳、プログラミング完全未経験の私が、Web制作スキルを身につけるために始めた孤独な戦い。それは、想像以上に厳しく、そして発見に満ちた道のりでした。

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2022年3月 - 手探りの学習開始と最初の壁

第1部でお話しした通り、友人との会話がきっかけで「まずはスキルを身につけよう」と決意した私。ターゲットは、当時から将来性を感じていた「Web制作」の分野、特にプログラミングでした。しかし、文系出身でITとは無縁の営業畑を歩んできた私にとって、それはまさに未知との遭遇でした。

最初に手を出したのは、定番のHTMLとCSS。本屋で一番分かりやすそうな入門書を買い込み、週末に読みふけりました。タグ?セレクタ?プロパティ?最初はチンプンカンプン。書いてある通りにコードを打ち込んでも、なぜか見本通りに表示されない。たったそれだけのことで、数時間を溶かしてしまうこともザラでした。

最初の大きな壁:「環境構築」という名の魔境

入門書の次に取り組んだのがJavaScript。しかし、その前に「開発環境を整えましょう」という壁が立ちはだかりました。Node.js? npm? Git? VSCodeの拡張機能? まるで異世界の呪文です。エラーメッセージが出ても、何が原因かさっぱり分からない。正直、この段階で一度本気で挫折しかけました。「俺には無理だ…」と。

それでも、あの誕生日の朝の絶望感を思い出し、「ここで諦めたら何も変わらない」と自分を奮い立たせました。分からないことは片っ端からググり、関連動画を見漁り、少しずつ、本当に亀の歩みで進んでいきました。

オンライン学習という大海原:何を選び、どう進めたか

書籍だけでは限界を感じた私は、本格的にオンライン学習プラットフォームの活用を始めました。当時は今ほどAIアシスタントが発達していなかったので、情報収集とトライ&エラーが学習の中心でした。

私が実際に使った学習リソースと学習順序

  1. ドットインストール&Progate(約1ヶ月):HTML、CSS、JavaScriptの基礎の基礎を、ゲーム感覚で反復練習。まずは「コードを書く」ことに慣れるのが目的でした。
  2. Udemyの有料講座(約2ヶ月):フロントエンド開発(ReactやVue.js)の講座を複数購入。動画を見ながら実際に手を動かし、サンプルサイトを模写。ここで初めて「Webサイトが動く仕組み」を体系的に理解できました。
  3. YouTubeの無料講座(随時):特定の技術やエラー解決方法など、ピンポイントで知りたい情報を検索。海外の質の高いチュートリアル動画も字幕を頼りに参考にしました。
  4. QiitaやZennなどの技術ブログ(随時):現役エンジニアが書いたエラー解決記事や技術解説は、非常に実践的で役立ちました。

学習で役立ったオンラインサービス(当時)

重要なのは、一つの教材に固執せず、複数のリソースを組み合わせて自分に合った学習スタイルを見つけること。そして何より、インプットだけでなく、必ずアウトプット(実際にコードを書く、何かを作る)を伴わせることだと痛感しました。

日記:仕事と学習の両立、そして襲いかかる睡魔

平日は本業の商社営業、そして夜と週末はプログラミング学習。正直、最初の数ヶ月は体力的にも精神的にもギリギリの日々でした。当時の日記には、その苦闘が生々しく記録されています。

2022年4月10日(日)雨

今日も朝からJavaScriptの非同期処理と格闘。Promise? Async/Await? 頭が爆発しそうだ。Udemyの講師はスラスラ説明してるけど、俺の頭には宇宙語にしか聞こえない。何度動画を巻き戻したことか…。気づけばもう夕方。休日なのに、全く休んだ気がしない。

2022年5月5日(木・祝)晴れ

ゴールデンウィークだというのに、どこへも行かずPCに向かう。友人のSNSには楽しそうなBBQの写真。正直、羨ましい。でも、ここで踏ん張らなきゃ未来はない。昨日、初めてCSS Flexboxでレイアウトが思い通りに組めた時の、あの小さな達成感を思い出せ!

2022年6月 - 初めて自分の力で動いた!「小さな成功体験」の衝撃

学習開始から約3ヶ月が経った頃、私は初めて「自分で考えて、自分でコードを書き、それが意図通りに動く」という経験をしました。それは、本当に簡単なToDoリストアプリでしたが、その時の感動は今でも忘れられません。

初めての「動いた!」体験:ToDoリストアプリ

JavaScriptの基本を学び終え、何か形に残るものを作りたいと思い、ToDoリストアプリの作成に挑戦しました。タスクの追加、削除、完了状態の切り替え。一つ一つの機能を実装するのに何日もかかり、数えきれないほどのエラーと戦いました。そして、ついに全ての機能が思い通りに動いた瞬間…。

「うぉっしゃー!」

深夜の自室で、思わずガッツポーズをして叫んでいました。それは、誰に褒められるわけでもない、本当に自己満足の世界。でも、あの時の「自分にもできたんだ!」という強烈な達成感と自信は、その後の学習を続ける上で、何よりも大きな原動力となりました。

// 当時書いたであろう、稚拙ながらも動いたコードの一部(イメージ)
function addTask() {
  const taskText = document.getElementById('new-task').value;
  if (taskText === '') return;

  const listItem = document.createElement('li');
  listItem.textContent = taskText;
  // ... (削除ボタンや完了処理の追加) ...
  document.getElementById('task-list').appendChild(listItem);
  document.getElementById('new-task').value = '';
}

この「小さな成功体験」の積み重ねこそが、モチベーションを維持し、困難なスキル習得を乗り越えるための鍵だったと、今振り返ると思います。

エピローグ:スキル習得の先に見えた、次なる挑戦の予感

  • 未経験からのスキル習得は、地道な努力とトライ&エラーの連続。魔法のような近道はない。
  • オンライン学習リソースは宝の山。自分に合ったものを見つけ、積極的に活用することが重要。
  • インプットだけでなく、実際に手を動かしてアウトプットすることで初めて知識は定着する。
  • どんなに小さなことでも「できた!」という成功体験は、次への大きなモチベーションになる。
  • 仕事と学習の両立は想像以上に大変。でも、明確な目標があれば乗り越えられる。

プログラミング学習を開始してから約半年。私は、HTML、CSS、JavaScriptの基礎をなんとか習得し、簡単なWebサイトなら一人で作れるようになっていました。もちろん、プロのレベルには程遠い。でも、あの絶望的な日々から比べれば、大きな大きな進歩でした。

そして、この頃から「このスキルを活かして、少しでもお金を稼げないだろうか?」という、新たな欲求が芽生え始めていたのです。そう、次なる挑戦「副業」への序章でした。

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